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土地家屋調査士試験の模試や答練にいて

今回は土地家屋調査士試験の模試や答練の成績は関係あるかについて取り上げたいと思います。
土地家屋調査士試験を受ける方は、LECや東京法経学院の模試試験や答練を一回は受けたことがある人が多いと思います。模試の結果に一喜一憂する気持ちはわかりますが、その結果は参考程度で本番では十分逆転する可能性があり、また合格圏内でも落ちてしまう可能性が十分あることをお話しします。
その原因・要因は、土地家屋調査士試験の特性・特徴からくるものであります。
ここでは私見がかなり入ってしまってますが、以下の三つを紹介します。

配点が公開されていない。

土地家屋調査士試験午後部の配点は、択一と記述の区分では公表されていますが(択一50点と記述50点の計100点)、択一と記述のそれぞれの配点は公表されていません。
択一は問題が20問あり、一問2.5点と予想は立ちます。
しかし、記述は土地と建物の2問が出題され、それぞれ25点であることは公開されているのですが、その中の申請書と図面の得点の配分等はブラックボックス(不明)になっています。
本試験において、申請書と図面に記述する情報量はとても多くあります。
それに加え、計算問題や記述の穴埋め問題も出題されることもあり、とても25点の点数の範囲で評価できるか疑問があります。
加点方式では25点にはできないため、減点方式であると一般的には言われています。
また、登記申請の根底である申請の目的を間違うと一発アウトになる都市伝説もあります。
しかし、私が受験したときの得点は、土地の得点が21.5点、建物の得点が19.5点でした。
どちらも5箇所以上は間違えているし、記憶が定かでないのですが、登記の目的が間違えてたとの記憶もありますが、合格することができました。
ただ、図面は土地と建物どちらもかなり正確に書くことができたと思います。
ここからは私個人が実際に受けてみて感じたことですが、図面を重要視し、図面の配点が高いのではないかと思います。
登記実務の話になりますが、登記の申請書の内容は登記官が申請内容を確認し、もし修正内容があれば修正をすることができますが、図面は登記官が確認することは難しく、図面は半永久的に残ることもあるため、申請内容以上に図面を重要視しているのではないかと思います。
あくまでも私見ですが、模試や答練で図面をしっかり確認し、それに点数を配分する作業って、とても大変な作業であり、人員的にも経済的な面を考慮すると、しっかり点数化できていない部分もあると思います。試験委員を担当された方が、しっかり採点されていればかなりの参考になる成績がでるのですが。
申請内容や図面等の配点が不明ですし、図面に対する評価も基準も分からないのに、模試で点数化しそれを採点することはとても難しいです。
ただ、大手の予備校では、合格者の解答を、法務局に対して情報開示請求をして、得点の配分等の研究はしているそうですが、協力してくれる合格者の母数がそんなに多くない等もあり、精度は高くはないと思います。
また、記述の試験内容は、毎年形式自体が変わるため、その得点の配分を把握することも難しいと思います。
そのため、模試の得点は資格試験予備校の主観がとても入るため、それによって安心できるほどの情報ではないが、参考になる程度の情報であると考え、一喜一憂をするべきではないと思います。
模試や答練では、予備校ごと採点方式があると思いますので、その採点方式での成績で判断しすぎると、いい意味でも悪い意味でも痛い目にあいます。
模試や答練はあくまで参考にして、一喜一憂せずに本番まで準備しましょう。

本試験と模試や答練には出題される知識に違いがある。

私個人的には、本試験は複雑な事例から読み解き基礎的な知識を申請書・図面に当てはめるのに対し、模試や答練は詳細な知識を問う問題が多いと感じます。
模試を作る側としては、複雑な事例を作るのにも時間がかかりますし手間があります。そのため予備校等が作る模試はどうしても知識を問う問題を作る傾向があると思います。
私は、某有名なL〇〇の答練のみ受けていたのですが、過去に択一で出た知識で、記述にまだ出ていない論点を出す傾向がありました。もちろん、その過去の択一を記述に出題する傾向は本試験にもあります。
しかし、本試験独特の複雑な事例や考えられた事例を再現することはできていないですね。
そのため、どうしても考えられた事例を読み解く力は過去問に頼らず負えません。
模試や答練はあくまで知識の定着を測るためにあるものであると考え、その知識を本試験で発揮していく力は別であると考えた方がいいと思います。
上記も書きましたが、模試や答練はあくまで参考にして、一喜一憂せずに本番まで準備しましょう。
模試や答練の詳しい知識をさらに勉強するのではなく、過去問ベースの基礎的な勉強を心がけてください。

模試や答練の会場では、試験本番の環境を再現することができない。

土地家屋調査士試験は大学の大教室や中教室を使用して行われます。
そのため、その受験する環境がどのようななるかは、試験当日の席割表を見なければわかりません。
はじめての環境の机・椅子で、場合によっては、机・椅子が小さく使いにくく、普段なら電卓や定規を置く位置に置くことができないかもしれません。また、書く音がうるさいや咳をする人が近くにいるかもしれません。
土地家屋調査士の受験生が多く集まることは、模試や答練でもなく、本試験会場で100人以上の受験生を一度に初めて見ると、たとえ模試や答練で順調に成績を伸ばしてきた方も、ベテラン受験生や実務をやっている方の雰囲気に自信を持てなくなってしまうかもしれないです。
模試や答練の環境と本試験の環境は、特に土地家屋調査士試験では全く環境もその雰囲気も違います。

まとめ

以上の書いてきましたが、資格予備校等の模試や答練を否定するものではないです。
知識の定着を測る上では、模試や答練は活用すべきであると思います。
ただ模試や答練はあくまで参考にして、一喜一憂すべきではないと思います。
なぜなら、私自身、模試や答練はダメな成績でしたが、過去問をベースにした試験勉強をしたことで、合格することができましたし、予備校の解答速報で採点したら合格点に達することができずに、発表日まで不合格だと思ってもいました。
この試験は、とても特殊な資格試験だと思います。確かな基準もなく、また勉強に対して自己評価をしそれを改善していくことも難しいです。
ただ、合格発表まで結果が分からない要素が多い試験でもあります。
自分で自分を勝手に評価をしたり、予備校の評価に惑わされずに、試験当日まで勉強し続けましょう。

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