今回、都内の土地の地図訂正(公図の訂正)をオンライン申請で行いました。
しかし、オンライン申請の場合は必ず地積更正登記と併せて申請しなければならないことについて失念していたため、取り下げをし、その後に登録免許税の還付を受ける手続きをしました。
今回は、しっかり確認をせずに申請したことを反省しつつ、また他の方に内容を共有したいと思い、記事にしました。
ご興味ある方は、最後まで読んで頂けると、嬉しいです。
本記事に関しては、私の体験談に基づいて作成しています。
それぞれの地域やその業務を行う者等によっては、取り扱い方が異なると思いますので、必ず登記官や土地家屋調査士等の実務家にご確認お願いいたします。
地図訂正の申し出を電子申請で行う場合
地図訂正申出をオンライン申請で行う場合、必ず地積更正登記と併せて申請しなければなりません。
ただ書面申請の場合には、必ず地積更正登記と併せて申請をしなければならないわけではないため、オンライン申請で地図訂正申出を行う場合には、注意しなければならない事項です。
下記のURLに詳細は記載しておりますので、ご確認ください。
オンライン申出をすることができる地図訂正申出は,当該地図訂正申出の対象である土地の登記記録の地積に錯誤があり,地積に関する更正の登記(以下「地積更正登記」といいます。)の申請と併せてしなければならないもの(不動産登記規則(平成17年法務省令第18号。以下「不登規則」といいます。)第16条第2項参照)であって,登記・供託オンライン申請システムを用いた当該地積更正登記の申請と同時に行われるものに限ります。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00046.html
と記載されています。
以上のことにより、オンラインで地図訂正申出をする際には、地積更正登記と併せてしなければなりません。
そのため、土地の分筆登記を申請する際に、地積が公差の範囲内で地積更正を本来必要としない場合でも、必ず地積更正登記と併せてしなければならないことになります。
オンライン申請で地図訂正申出をする場合には、地積更正の地積測量図と分筆の地積測量図を作成する必要があったりと、申請書や添付情報の作成に手間が余計に掛かることになります。
法務省提供の申請用総合ソフトを使用する場合
申請用総合ソフト使用して、オンライン申請で地図訂正申出をする場合、以下のように書式を呼び出します。
①と②を順次選択していくと、以下の地図訂正用の書式を呼び出すことが出来ます。
注意書きにはしっかり、『*この様式は,地積の更正の登記の申請情報と併せて地図訂正申出情報を提供するためのものです。』と記載しており、私のように登記の目的を『地積更正』から『分筆登記』等に変更しないように注意喚起をしています。
添付資料の地図訂正申出情報ですが、地図訂正の申出書をPDFファイルにして添付します。
下記のフォーマットのPDFファイルを用意します。
また、上記の書類の他に、隣接地権者等の利害関係者から、地図訂正に関する承諾書類が必要になります。
私は、以下のフォーマットで作成しています。
一旦取り下げをして、再度申請する
今回の案件に関しては、当初は残地分筆で申請する予定であり、また残地でなく全筆であっても地積が公差の範囲内であったため、地積更正を申請する予定はありませんでした。
そのため、分筆登記のみを登記の目的として、申請しました
しかし、申請書を作成するとなると、分筆登記で地図訂正を申請できるフォーマットがありません。
そのため、地図訂正申出用の地積更正登記のフォーマットの登記の目的の欄を、地積更正から分筆登記に変更して登記申請をしました。
しかし、地図訂正は地積更正と併せて申請しなければならないため、申請した分筆登記を取り下げなければなりませんでした。
本来ならば、このような取り下げの場合は申請者に委任状を頂く必要があります。
ただ、取り下げに関しても、前もって委任状に委任した旨を記載していたため、申請者から委任状を再度貰わずに済みました。
登記申請の際には、補正のための取下げをすることもあるため、私は必ず以下の文言を委任状に記載しております。
上記登記申請・申出の取り下げ及び登録免許税の現金還付又は再使用証明申請の請求受領に関する一切の件。
登録免許税の還付手続き
今回は、土地を3筆に分筆する登記であったため、分筆登記を申請時に、3,ooo円の登録免許税を電子納付しました。
そのため、収入印紙の再使用証明ではなく、現金の還付請求となります。
また、還付される時期は、半年以上先になることもあり、忘れた頃に口座に入金があることがほとんどであるそうです。
下記の書類を、法務局の窓口に申請するか、郵送で還付の請求書します。
ちなみに、印のところには必ず職印でなければなりません。
また、還付手続きには、以下の書類のように申請人から委任を受けなければなりません。
しかし、登記申請の委任状に還付請求に関しても委任する旨があれば、それを援用することができるため、別途委任状を用意する必要はありません。
そのため、委任状には必ず下記の規定を記載するようにしています。
登記申請の取り下げ及び登録免許税の現金還付又は再使用証明申請の請求受領に関する一切の件
当初は残地分筆での申請を考えていた
今回は、一部隣接土地に所在不明の方がいたため、隣接地権者の全員との立会が出来ませんでした。
残地分筆の場合は、地積更正登記をすることが出来ず、地図訂正の申出をオンラインで申請することが出来ません。
そのため、当初は書面での申請を考えていました。
しかし、今回については、境界標が現存しており、直接的にその境界標が筆界点とする地積測量図はないものの、その他の隣接地の地積測量図や区役所に保管されている道路境界図により、筆界を認定することが出来たため、残地扱いではなく、地積更正登記をすることが出来ました。
そのため、書面申請ではなく、オンライン申請で地図訂正をすることが出来ました。
まとめ
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
今回の記事の内容は、私の失念であるため、反省しなければなりません。
法務局の職員の方が、取り下げの影響のないかたちで、進めて頂いたため、完了日に影響もせず、業務を進めることが出来たことは感謝しかありません。
土地家屋調査士は、調査士報告方式が令和になってから始まり、ほぼオンラインで申請するようになりました。
ただ、書面申請での方法と相違する点が、少なからずあります。
今後、このようなことがないようにしっかりオンライン申請について理解し直さなければならないと感じました。