土地家屋調査士にとってパソコンはofficeソフトだけではなく、測量CADも必要なことから、そのパソコン選びに苦労することが多いと思います。
特に、この記事を作成した2022年度は新型コロナウィルスなどにより、世界的な半導体不足となり、パソコンの確保が難しくなりました。
また、CPUがitelだけではなくAMDやApppleなどの製品も普及し、選択の幅が広くなりました。しかし、その分パソコン選ぶ際には考慮しなければいけない事項が増えました。
今回は、土地家屋調査士にとって、とても重要な仕事道具であるパソコンの選び方について、あくまで私の考え方を記事にしていきたいと思ってます。最適なパソコンや考え方はそれぞれであるため、あくまで選択する上での参考材料にして頂きたいと思ってます。
まず導入する測量CADソフトを確認
まず、導入する測量CADソフトウェアの動作環境を確認する必要があります。土地家屋調査士業基本業務だけであれば、測量CADの実行環境を確認さえすれば、ほぼ困ることはありません。
測量CADソフト | URL(2022年3月) |
福井コンピューターのTREND-ONE | https://const.fukuicompu.co.jp/products/trendone/program.html |
アイサンのWingneo®INFINITY | https://www.aisantec-geo.jp/service/wingneo/ |
CPUについて
福井コンピューターとアイサンテクノロジーとも、IntelのCori5以上でなければなりません。
2020年以前は、コスパ重視にパソコンを選んでしまい、CPUをCore i3やCeleronにしてしまい、再度購入しなければならないことがほとんどであったと思います。
ただ、今はAMDなどIntel以外のCPUも搭載機が増えたことで、とりあえずスペックが高いパソコンを購入すればいいとは言えなくなってきています。
OSのおかげで動作はするかもしれませんが、測量計算はとても精密な計算を行います。
そして、CPUはパソコンで一番重要な装置です。購入前は、必ずCPUを確認し、購入しましょう。
ソフト | 対象CPU(2022年3月) |
TREND-ONE | 推奨 Core i7 (最低 Core i5 以上) :Intel社製 Celeronでは動作しません。 |
Wingneo®INFINITY | インテル®CoreTMi5以上 |
OSについて
福井コンピュータもアイサンテクノロジーもWindowsのみ対応です。
ただ、2021年度に公開されたWindows11に対応しているかの確認も必要です。
2022年2月末に福井コンピュータのTrendoneがWindows11に対応したとのことです。ただ、しばらくは、不具合があるか不安であるため、しばらくの間はWindows10での使用をオススメします。
また、Wingneo®INFINITYの場合は、WindowsProでなければならなく、またWindows11の対応はまだそうです。
ソフト | 対象OS(2022年3月) |
TREND-ONE | Windows 11 バージョン21H2(64bit)Windows 10 November 2021 Update バージョン21H2 (64bit)Windows 8.1 (64bit) |
Wingneo®INFINITY | Windows® 8.1 Pro / Windows®10 Pro |
メモリについて
TREND-ONEの場合、最低4.0GBあれば良いとのことですが、Windows11が8.0GB以上でなければ対応していません。
そのため、これからパソコンを購入する際は、最低限8.0GB以上のメモリが搭載されたパソコンを購入しましょう。
ソフト | 対象メモリ(2022年3月) |
TREND-ONE | 推奨 8.0GB ( 最低 4.0GB 以上) |
Wingneo®INFINITY | 8GB以上 |
Officeソフトについて
事務用のソフトとして、MicrosoftOfficeが一択でしたが、今はGoogleが提供するGoogle スプレッドシートなども選択筋の一つです。
ただ、土地家屋調査士の調査報告書を作成するためのアプリケーションソフトは、MicrosoftOffice以外のofficeソフト(互換も含め)には対応していません。
そのため、調査士会が提供するソフトを利用する際は、MicrosoftOfficeは必ず導入しなければ、出力ができません。
ただ、調査士会が提供するソフトは動作が遅く、またソフトのデータベースに直接アクセスすることが出来ないこともあり、そのままExcelファイルを編集していくのもいいかもしれません。
番外編1(中古パソコン編)
マイクロソフトの認定がある中古パソコンなら安心して利用できると思います。メモリが16.0GBでcorei7、SSDが256GBのスペックで、Amazonで3万円台からあるため、コストを抑えたい方には最適だと思います。
また、Windows10がどうしても必要な方には中古パソコンは大きな選択筋となります。
番外編2(ホームページ編)
ホームページを作成されたい方もいます。その時のパソコンはどのように選べばよいでしょうか。ホームページの情報はサーバーにあるため、パソコンのスペックで必ず必要なのはありません。少なくとも、測量CADソフトの動作環境を満たすパソコンであれば、まったく問題ありません。
まとめ
土地家屋調査士はニッチなアプリケーションソフトである測量CADを利用することから、それに対応する環境を用意しなければなりません。
特に、ずっと勤務をされていてパソコンについて事業主任せにしていた方や、司法書士をされていた方が土地家屋調査士もされる場合に、パソコンの選定について予想外のトラブルになるかもしれません。
昔みたいにとりあえず、性能が良くて高いのを買っておけばよいとの考えは、選択筋が増えた今では少し通用しなくなってきています。
この記事を、読んで下さった方のトラブルが少しでも減ってもらったらいいと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
土地家屋調査士 小川曜(埼玉土地家屋調査士会所属)