今回は、座標補正パラメータについて記事にしていきたいと思います。
一部正確ではない情報もあるかもしれませんが、一度手を動かして試してみる最初の一歩の参考記事として読んで頂けたらと思います。
正確な使用方法等に関しては、アプリをダウンロードしたファイルに説明書が入っているため、そちらを読んでもらえたらと思います。
座標・標高補正パラメータとは
基準点の位置は、地震、火山噴火に伴う地殻変動等により現況に適合しなくなる場合があります。変動した基準点を利用できるようにするには、再測量を行うことが最良ですが、改算や地域毎の補正パラメータによる計算処理も可能です。国土地理院では、位置の変化を補正するための補正パラメータとして、水平位置を補正する座標補正パラメータと標高値を補正する標高補正パラメータを提供しています。
国土地理院HP
座標・標高補正パラメータとは、変動した基準点を利用できるようにするために計算処理するときに使用する補正値です。
土地家屋調査士の業務にどのように影響するの
土地家屋調査士は、土地を測量して距離と角度のデータを取得し、そのデータを座標値として計算することで、その土地の図面を作成します。
座標は任意に原点を設定して、任意の数値(任意座標)で図面に落とすことが出来ますが、公に管理している公共座標の基準となる点(公共座標)を使用し、その座標値を基準に計算し、測量成果を図面に落とすこともできます。
そして、平成17年度以降は、原則不動産登記に関わるものは、公共座標の基準となる点を使用して、そして世界共通の座標値で、土地の測量図を作らなければならなくなりました。
ただ、公共座標の基準となる点を設置するのは、時間やコストがかかり、又地震や工事などによって、移動や亡失してしまうこともあり、日本全土に公共座標の基準となる点を設置、又、最新の数値にすることはできてません。
今現在は、世界測地系2011という基準が日本で使用されている座標系ですが、 測地系2011 が整備されていない自治体や地域では、以前に使われていた旧座標系を使用している場合もあります。
なぜならば、新たに公共座標を測り直すことはコストがかかるなどの関係から、旧座標系で運用が行われている地域があるからです。
また、地震などの震災で動いた場合は、実際には測量をせず、土地を動いた分だけ調節して、測地系2011 の座標値を計算から算出することがあります。
そして、世界測地系2011 に補正し変換するための計算式が、 補正パラメータ です。
土地家屋調査士は、その旧座標系で以前測量をしている場等の様々な理由により、その値を補正パラメータ で調節・計算をしなければならない時があります。
地積測量図・地図などの測量図にはパラメーター補正の旨を記載
日朝連発第349号に、 パラメーター補正をした成果を使用した場合の地積測量図に記載する事項に関してありますのでご参考にして頂ければと思います。
https://atmsp.aisantec.com/atmspark/modules/info_m2/topic/vol23/data-12-2-348.pdf
座標補正プログラム「PatchJGD」の準備をしよう
「PatchJGD_HV」は、補正パラメータを用いて変動前の位置を、変動後の位置に近似的に補正する計算処理を行うソフトウェアです。
国土地理院HP
簡単なダウンロード方法と使用方法についてご説明します。
国土地理院のホームページからダウンロード
下記のホームページからソフトウェア(実行ファイル)をダウンロードしよう。
注意が必要なのが、 ソフトウェア だけでは補正パラメーターの情報が入っていないため、別途パラメータファイルをダウンロードし、ソフトフェア (実行ファイル) に読み取らなければならないことです。
(以下の補正パラメータファイルをダウンロードを参照)
実行ファイルはこれ
アイコンとしてデスクトップやスタートメニューには表示されないみたいなので、ダウンロードしたフォルダから直接実行ファイルをダブルクリックをして実行します。
該当する補正パラメータファイルをダウンロード
上記の実行ファイルはあくまで、パラメータの数値などは入ってません。
そのため、パラメーター変換したい内容を把握し、該当する 補正パラメータファイル を国土地理院からダウンロードします。
実行ファイルに 補正パラメータファイル を読み込む
実行ファイルを開き、補正パラメータファイル を読み込みます。
実際に数値を入れてみて確認しよう
ここでは実際に座標を入力して、補正パラメーターでどれだけ座標が変換されたか確認してみましょう。
今回は第9系原点である野田の補正量を求めました。
まとめ
最後まで、読んでくださりありがとうございました。
実際のところ土地家屋調査士が、 座標補正パラメータを使用することはないと思っていました。
ただ、道路境界図が震災前に道路境界を確定して、その後補正パラメーターを実施した地域の案件の測量をしました。
道路台帳の測量座標が今の座標と相違があるため、 補正パラメータ で変換しなければなりませんでした。
その際、 座標・標高補正パラメータ で変換するサービスを国土地理院が提供していることは知っていましたが、ダウンロード方法や使用方法については全く分からず困りました。
今回は、その際試行錯誤をして使ってみた内容を記事にしました。
もしかしたら間違っている内容等があるかもしれないので、ご指摘頂ければと思います。