土地家屋調査士として仕事をしていると、土地の境界線に越境物を確認することがあります。
特に、東京など都心の住宅が密集していたりする地域だと必ず言ってもいいほど、何かしらの構造物が越境しています。
その場合には、境界立会を行う際に、越境物についても当事者が確認し、相互が将来的に越境を解消しようとの話になります。
ただ、必ずしも、隣接地権者の構造物等が越境しているわけではなく、電線などの公共の事業者が設置した構造物等が越境していることもあります。
隣接地へ引き込まれている電線が、隣の土地に入り込み越境している事例などです。
今回は、電線が越境している際に、それを解消するために私が行った実例ついて記事にしていきたいと思います。
あくまで私の個別事例としてご紹介しますので、時期や地域、事業者・担当者によって対応方法は異なると思います。
慎重に記事は書きますが、一部間違いがあるかもしれないため、あくまで参考として読んで頂けたらと思います。
空中越境している電線とは
電線の種類としては、東京電力などの電力会社の電線、NTTなどの通信事業者の電線、JCOMなどのケーブルテレビの電線が主にあります。
今回は、私が対応した東京電力、NTT、JCOMについて記事にしていきたいと思います。
どれも基本的な対処の仕方は同じだと思いますが、電力会社などの公共事業者と異なり、NTT、JCOMなどの民営事業社についてはそれぞれの契約内容によって、対処の仕方も変わってくると思います。
JCOM
柱の高い位置から引き込んでいる以外の電線が、越境している場合は、まずJCOMを疑う必要があるとのことです。
なぜならば、東京電力やNTTに関しては、他人の土地に電線が入らないように慎重に工事を行うのが一般的だからです。
今回は、低い位置の電線が越境していたため。、まずJCOMに問い合わせしました。
翌日には現地で調査をして頂き、とても迅速な対応をして頂きました。
JCOMからの回答によると、NTTの電線であるとのことでした。
JCOMの電線と勝手に決めつけていたため、少し申し訳ない気持ちになりました。
東京電力
高圧の電力であるほど、高い位置に設置するため、
電柱の高い位置にある電線は電力事業者の電線であると可能性が高いです。
今回は、高い位置の電線も越境していたため、東京電力にもお問い合わせをしました。
お問い合わせをした当日に現地にて対応して頂いたため、その迅速さに驚きました。
生活に必要なインフラを管理するからこそ、当日にすぐに対応できる体制ができているんだと知れることができ、東京電力に感謝しなければと思いました。
電柱の上部の越境個所について、広がっているところを収めて貰うなどの対応をして頂きました。
NTT
今回の事例で苦労したのが、NTTです。
まずお問い合わせをする担当部署を探すのに苦労しました。
複数の部署に問い合わせても、いろんな部署にたらい回しをされました。せめて担当の部署くらいは、しっかり伝えてもらいたいなと思いました。
ただ、翌日には調査をして頂き、とても迅速な対応をして頂きました。
NTTによると、越境している電線はアナログの電線で、また電線を引き込んでいる方はNTTとは契約が切れてしまっていたため、電線の位置の変更の工事ではなく、撤去の工事になるとのことでした。
今回は、アナログの電線であり今後使う見込みがない電線であったため、撤去に関して隣接者の方に承諾を頂けましたが、もし近い将来に使用する予定がる場合には、再設置の工事代金などが掛かる可能性があることを、しっかりお伝えしなければなりません。
ちなみに、契約中の場合であれば、移設工事になり、今回の工事内容であれば、費用はかからないとのことでした。
まとめ
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
最初に電話をした際に、オペレーターに担当部署の特定や、他の部署が対応するので他に問い合わせて欲しいと、たらい回しをされることもありました。
また、電話オペレーターの方は、電話の対応は上手でしたが、現場のことに関しては知識がない方が多く、やり取りに苦労しました。
しかし、どの事業者様も、当日または翌日に対応してくださり、また工事もすぐに着手して頂きました。
以上のことは、土地家屋調査士の業務ではないため、正直なところ業務としてはおこなうべきではないと思っています。
ですが、今後の土地家屋調査士業務を行うに当たっては、いい経験となりました。