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土地家屋調査士の測量の報酬額(費用)について

今回は、土地家屋調査士に測量を依頼した際に、掛かる報酬額(費用)について記事にしていきたいと思います。

土地を売却する際に、その測量に掛かる報酬額(費用)が想像以上に高く、驚かれた方は少なくないのではないかと思います。
それは土地家屋調査士にどのような業務があり、それに対してどれ程の工程があるのかを、世間一般に知られていないことが原因であると思います。

今回の記事は、土地家屋調査士にどのような業務があり、それに対してどのくらいの費用が掛かるのかを多くの人に知って頂くことで、土地家屋調査士に対する報酬に疑心暗鬼することなくご依頼を頂けたらと思います。
ただ、これからの記事はあくまで私の経験や感覚から書いているため、あくまで参考程度に読んで頂けたらと思います。

また今回の記事に関しては、当事務所にご依頼する際の報酬額の参考になるよう、私の見積に対する考え方をお伝えする趣旨もあります。
あくまで、土地家屋調査士業界全体ではなく、私の個人的な基準として読んで下さり、その中で依頼者又は読者様のご参考になればと思います。

一般的な宅地の現況測量なら10万円が相場

ただ土地を測るだけであれば、10万円が相場になります。

測量は二人でするのが一般的であるため、二人分の測量技術者に対する人件費、現場までの交通費、そして図面を作成に対する費用を考慮して、特別な測量を除き10万円前後が相場になります。

報酬内訳項目報酬額
現地での測量2万円~5万円(測量技師の人件費二人分)
交通費・駐車費3千円~1万円
図面作成3万円~5万
その他CADや測量機器の保守料等の業務に必要な費用按分5千円~1万円

以上の表が一般的な内訳になります。

報酬額に関して範囲で記載していますが、それは現場によっての工程数や取引先ごとに納める測量成果に必要なものが異なるためです。

しかし、現場ごとに、どれぐらいの工程が必要かは実際に測量に着手しなければ、分からないことも多いため、ほとんどの事務所はその中央値か平均値で見積もりを作成することが多いとの印象です。

測量のほとんどは確定測量

現地の状況を測る現況測量には、10万円程の費用が掛かると上記で書きました。

しかし、土地家屋調査士が実際に依頼がある測量は、確定測量と呼ばれるものになります。
確定測量とは、土地の境界を明確にするために行われる測量です。

この確定測量は、現況測量を行い、その成果を元に、法務局に備え付けの図面や役所にある図面等を精査をして、隣地等の利害関係者と立会をおこない境界を確認して、境界を明確にする測量です。

そのため、実際に現地にあるものを測る現況測量に追加で、資料等の調査、隣地との境界立会準備、役所との協議、その後の書類や図面作成の費用等が追加で掛かってきます。

報酬内訳項目報酬額
隣地1件ごとに対する境界確認に掛かる費用3万円~6万円
役所との協議や図面作成3万円~10万円
その他の雑費1万円~10万円

が現況測量に追加で費用が掛かってきます。

現況測量に比べて、確定測量は複数の利害関係者との協議があり、それが現況測量よりも手間のかかる業務となります。
そのこともあり、土地家屋調査士の業務は測量よりも、隣接者や役所等の利害関係者との協議がその大半を占めています。

例えば、隣地1件との境界を確認するためには、測量挨拶、境界立会のための日程調整、隣地との境界立会、境界標の設置費用、書類や図面の作成、そして境界確認書の取り交わしなどをしなければなりません。
また、同時に役所との協議や図面作成などもしなければなりません。

確定測量と一般的に呼ばれていますが、測量に掛かる手間は一部で、大半は土地の利害関係者との協議や確認業務が大半を占めています。

確定測量の見積の計算方法

簡略ですが、おがわ事務所では以下のような見積もりをします。

例えば50坪の土地で隣地が4件程で、市道に接しているのであれば、

業務項目報酬額
現況測量約10万円
隣地との境界確認約20万円
(隣地4件で5万×4=20万円で計算)
役所との道路協議約10万円
合計約40万円前後

定期的にご依頼がある、また近隣市町村の場合は、値引き等もしています。

とりあえず60万以上の見積であれば理由を聞く

土地は同じものは存在しません。そのため、その土地ごとに抱えている問題や課題に同じものはありません。

隣接地が所有者不明土地などになると、所有者を見つけなければならなく、その業務量は格段に増えることになります。
また、相続などが発生している場合は、相続人を確定しなければなりません。

以上のような事由が、土地にあると見積額が高くなる傾向にあります。

ただ、ほとんどの土地家屋調査士は、一般的な宅地であれば60万円~70万円以上を請求することは、見積に対して依頼者がマイナスの印象を持たないように、避ける傾向が多いと思ってます。

そのため、上記の値段以上になる場合は、何か要因があると思って頂ければと思います。

  • 隣接地の所有者が行方不明である。
  • 隣接地に相続が発生しており、相続人が多数または遠隔地に居住している。
  • 後退道路に接しているため、その後退距離に関して利害関係者との協議が必要である。
  • 共有私道に接しており、その共有私道の所有者が多数いる。

などが見積もり額が高くなる要因です。

もし、一般的な50坪ほどの宅地で60万円以上の見積額であれば、理由を聞いてみることをオススメします。

きっと何らかの理由があるのかと思います。

まとめ

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

土地家屋調査士の業務は、実際に取り掛かって測量してみないと分からない部分があります。
実際に着手したら、隣地の所有者が見つからなかったり、役所との協議がうまくいかなくなるなどがあります。
一方で、争いがあると聞いてたけれども、円滑に土地の境界を確認できることもあります。

そのため、土地家屋調査士の見積は今までの色々な経験から、色んな場面を思い返しながら、見積を作成しています。

相見積もりをした際に、10万円以上の違いがある場合もあります。
しかし、その事務所の測量に対する工程の違いなどもあるため、必ずしも高いか安いかで判断することは避けるべきであると思います。

お金だけではなく、どのような成果品が納品されるかも、ご依頼する際の判断材料にして頂けたらと思います。

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