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道路を広げるための用地測量とは

今回は、主に道路を広げる際に行う用地測量について記事にしていきたいと思います。

私は、測量会社に勤めていた時に、東京都の都市計画道路に必要な用地測量に従事していました。

その経験もあり、私の最寄りの桶川駅前広場の整備を見るたびに、用地測量に従事していたころを思い出します。
今回は、 過去のことも思い出しながら、用地測量について調べ、ブログ記事にしました。
公共用地である道路を広げる際の土地買収に興味を持っている方に読んで頂けたらと思います。

桶川駅東口周辺地区の整備

桶川市では『桶川駅東口周辺地区』の早期整備のために、関係権利者の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解・ご協力をいただきながら、市施行の「駅東口駅前広場」整備事業、埼玉県施行の「駅東口通り線及び仲仙道線」整備事業等を進めています。

URL:https://www.city.okegawa.lg.jp/soshiki/toshiseibi/ekihigashiguchiseibisuishin/machidukuri/seibi/2244.html

公共用地のための土地の買収には用地測量が必要

第590条 「用地測量」とは、土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業をいう。

国土地理院 作業規定準則第590条

道路の幅を広げ、きれいに整備するためには、その道路の面積や辺長を把握しなければ、道路の設計などはすることが出来ません。
その道路の面積や辺長を把握し、そして必要な土地を買収するための測量を用地測量と呼びます。
その用地測量のプロセスは、作業規定等で細分されますが、私は大まかに以下の3ステップを分けると理解しやすいと思います。

現況測量や土地の地権者などの調査

現地の境界の参考となる塀などの構造物や地物を測ります。また、登記所にて土地の所有者や過去の土地の測量図面の有無も含め、土地に関する地籍を調べます。

境界などを確認するための所有者との境界立会

現況測量や地籍調査などを参考に、整合性が取れるように境界点を計算します。
そして、その計算された境界点において境界立会を行います。

境界立会で確認した境界を成果としてまとめる

境界立会により確認した境界を書面と図面として保存します。
また、買収される部分の土地を登記上分割します。

以下のPDFに作業規定の細分化されたプロセスが記載しておりますので、気になる方は確認して頂けたらと思ってます。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4264/00012399/200918_tisekisenryaku2020_housaku4.pdf

誰が実施するのか

実施するのは市区町村や都道府県などの公的な機関であり、その計画の委託を受けて測量会社が用地測量に必要な測量や調査などを行います。

東京都の場合は、都の機関である建設事務所が測量などを計画する測量計画機関として、その測量に関して計画を立てます。

そして、その計画に基づき測量を実際に行う者のことを測量作業機関と呼びます。 測量作業機関は、測量業に登録されている測量業者でなければなりません。

境界立会を行う際に、役所の職員が来たり、また測量業者の従業員が来たりしますが、以上のように計画する者(測量計画機関)と作業する者(測量作業機関)がいるためです。

そのため、一般の方は用地測量に関して、色々な方が来て誰に相談すべきが迷ってしまうかもしれません。
その時は、作業計画機関である役所の職員等に聞くと、今後の予定等も含めて多くの情報を教えてもらうことが出来ます。
測量作業機関である測量会社は、あくまで作業をするだけという立場上、 作業計画機関である役所に確認した上でなければ、何もすることは出来ません。
そのため、対応が悪いと思ってしまうかもしれませんが、上記の理由があると思い出していただき、お許しを頂きたいです。

測量計画機関

(測量計画機関)
この法律(測量法)において「測量計画機関」とは、前二条に規定する測量(土地の測量)を計画する者をいう。測量計画機関が、自ら計画を実施する場合には、測量作業機関となることができる

測量法7条(一部改変)

主に、市区町村や都道府県などの官庁が測量計画機関となります。

測量実施機関

(測量作業機関)
この法律(測量法)において「測量作業機関」とは、測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。

測量法8条(一部改変)

主に、測量業登録をしている測量会社が測量作業機関となります。

どのような土地が対象になるの

主に、都市計画道路などあらかじめ以前から計画されており、いきなり土地を買収されたり、また立ち退きの対象になることはありません。

また、土地を買う際に、その土地が都市計画道路の事業計画によって影響を受けるかどうかは、あらかじめ説明しなければならばいことを、不動産業者に義務として課してます。

そのため、相続などが原因で取得する以外は、あらかじめ土地の所有者は都市計画道路にとる土地の利用の制限等を知ることが出来るようになってます。

土地家屋調査士の業務との相性

この用地測量は、土地の境界を明確化し、道路などの公共用地に必要な部分を登記上分割することが目的です。
そのため、不動産表示登記と土地の境界の専門家である土地家屋調査士の業務と、ほとんどの業務は重なってきます。

土地家屋調査士事務所が、測量会社を併設して用地測量を行っていることも多いですし、お互いの業務の相乗効果があります。

まとめ

最後まで読んで下さりありがとうございました。
用地測量により土地を買収されてしまうと、土地が少なくなり損に感じてしまうことがあります。
しかし、狭くて不便だった道路が便利になり、人の流れが生まれることになり、土地の価値が上がるのが大半です。
また、税金上の優遇などもあると聞いたため、地価が高い土地をお持ちの方でも、歓迎してる方は想像以上に多くいた印象でした。

用地測量は、住みやすい土地、利用しやすい土地にするために必要な測量です。

土地家屋調査士 小川曜(埼玉土地家屋調査士会所属)

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