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測量士と土地家屋調査士のダブルライセンスについて

今回は、土地家屋調査士と測量士とのダブルライセンスについての記事を書いていこうと思います。
ただ、ダブルライセンスをするべきか否かは、その人の経験や経歴等によって異なります。
そのため、今回は私の経験や価値観から書いています。
あくまで一意見として参考程度に読んでいただければと思います。
土地家屋調査士は不動産の表示に関する調査・測量をする資格であり、測量士は基本測量及び公共測量、公共以外の測量に関する測量に従事するための資格です。
どちらも、測量する資格であるため、似たように思われるかもしれませんが、その資格制度も管轄の官庁も違い、まったく別の資格です。
しかし、測量をする点では共通点があり、兼業されている方が多くいます。

測量士と測量士補とは

測量士・測量士補は、基本測量及び公共測量に従事するために必要であり、その資格がなければその仕事に従事することが出来ません。
また、測量士は計画を作成し実行できますが、測量士補は測量士の指揮のもと測量に従事します。
原則、基本測量は国土地理院が行い、公共測量はそれ以外の官公庁が行う測量です。

第四十八条 技術者として基本測量又は公共測量に従事する者は、第四十九条の規定に従い登録された測量士又は測量士補でなければならない。
 測量士は、測量に関する計画を作製し、又は実施する
 測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事する。

測量法第四十八条(測量士及び測量士補)

また、測量士は、営業所に一人以上置かなければなりません。

第五十五条の十三 測量業者は、その営業所ごとに測量士を一人以上置かなければならない。
 前項の規定は、測量業者(法人である場合においては、その役員のうちいずれかの役員)が測量士であるときは、その者が自ら主として業務を行なう営業所については、適用しない。

測量法第五十五条の十三(測量士の設置)

つまり、測量士は公共測量の技術者としての独占業務と、測量業を行う事務所に一人以上必要な必置資格であるといえると思います。
あくまで測量士は測量業を行うための資格であるため、測量業の登録をせずに資格を取得しているだけだと意味はありません。

測量業とは

土地家屋調査士はその資格だけで業務を行うことが出来ますが、測量士の場合はその基本測量及び公共測量の業務を行うためには測量業を登録しなければ、その業務を行うことが出来ません。
つまり、測量士は測量業を行うための資格であると言えます。
測量業とは、基本測量、公共測量又は基本測量及び公共測量以外の測量を請け負う営業をいいます。

第十条の二 この法律において「測量業」とは、基本測量、公共測量又は基本測量及び公共測量以外の測量を請け負う営業をいう。
第十条の三 この法律において「測量業者」とは、第五十五条の五第一項の規定による登録を受けて測量業を営む者をいう。

測量法第十条の二(測量業)第十条の三(測量業者)

土地家屋調査士と相性がいいい業務とは

土地家屋調査士と測量業との相性がいい業務は、地籍調査と用地測量です。
地籍調査とは、主に市町村が主体となって、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です。

国土調査法第2条5 第一項第三号の「地籍調査」とは、毎筆の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することをいう。

国土調査法第2条5項

この地籍調査の成果は登記所に送られ、その成果により記簿の記載が修正され、地図が更新されることになります。
この一筆ごとの境界の調査・測量はまさしく、土地家屋調査士の仕事内容と同一です。
ただ、主に市区町村が主体となって実施されることから、公共測量等の扱いになり、土地家屋調査士ではなく測量士がこの業務に従事をしております。

用地測量とは、土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業をいいます。

「用地測量」とは、土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業をいう。

作業規定準則431条

土地の開発や道路の新設・改良等に必要な用地を取得するために、土地の所有者や地目など土地に関する情報や土地の境界等について調査・測量を行い、土地の取得・売買等に必要な各種確認書類や図面を作成するための調査・測量を行います。

以上の地籍調査と用地測量が、土地家屋調査士の業務と相性がいい業務となります。

メリット

土地家屋調査士と測量業も、必要な設備やスキルもほとんど同じであり、とても相性がよく兼業するメリットが多くあります。
従業員を多く雇っており、法人を持っている事務所は売り上げの安定等のため、兼業するメリットは多くあります。
また、測量について知っている土地家屋調査士として、測量士の資格をアピールすることもできることもメリットです。

デメリット

測量業登録して公共測量を受注するには、法人を持ち役所との信頼関係があることが必要であるため、個人事業主として小さく事業を、事業を大きくする予定がなければ、土地家屋調査士が兼業するメリットはあまりないと思います。

まとめ

測量士と土地家屋調査士のダブルライセンスについて記事にしてきましたが、土地家屋調査士として仕事をしていく上で、測量士の資格は必要ありません。
ただ、測量に対して知識がアピールしたり、従業員を数人雇い事業を安定したいと考えるならば兼業はメリットがあると考えます。
土地家屋調査士として仕事をしていく上で、測量業もしていくことを将来的に考えていくことが重要であるのかなと思います。

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