土地家屋調査士は、登記申請をする際に、登記官や土地の利害関係者の方に不動産の物理的現況を正しく伝えるために、現地の状況の写真などの画像ファイルをよく使用します。
今回は、私がこの画像ファイルを扱う上で便利な画像編集ソフトであるGIMPをご紹介しようと思います。
このGIMPというアプリケーションソフトは、無料と思えないほど高性能で、世界中で多くの人に利用されています。
また、このGIMPはオープンソースであり、無料で利用できるだけではなく、ソースコードも公開され、世界中の有志により日々開発が進んでいる画像編集アプリケーションでもあります。
そして、その操作はCADを使用する際の知識であるレイヤーの概念などの類似点があり、これまで蓄積してきた知識を流用することもできることも、土地家屋調査士にとって魅力の一つです。
GIMPについて、ご興味がある方は是非使ってみてください。
GIMPとは
GIMPは、GNU / Linux、macOS、Windowsなどのオペレーティングシステムで利用できるクロスプラットフォームの画像エディタです。それは 自由ソフトウェアであり、あなたはその ソースコードを変更し、あなたの変更 を配布することができます。グラフィックデザイナー、写真家、イラストレーター、科学者のいずれであっても、GIMPは仕事を遂行するための洗練されたツールを提供します。多くのカスタマイズオプションとサードパーティのプラグインのおかげで、GIMPを使用して生産性をさらに高めることができます。
GIMPホームページより
土地家屋調査士業務でGIMPを利用する場面
土地家屋調査士業務では、現地の状況を伝えるために写真を使います。
その写真を分かり易く、また利用し易いように、画像ファイルを管理しなければなりません。
その画像管理の一つとして画像編集が挙げられます。
このGIMPは、画像ファイルを適切なサイズに変更したり、無駄な箇所を切り取ったり、そして分かりやすい注釈等を入れたりをして、画像ファイルの適切な管理のために使用します。
ただし、あくまで適切なサイズに変更したり、また朱線を記載したりするなど、正しく分かり易く伝えるための編集にとどめなければなりません。
現地の状況に関して、間違った認識を持たせてしまうような画像の編集は決してやってはいけません。
以下に、私の土地家屋調査士業務での使用例を簡単にご説明します。
使用例1:写真を加工・編集します
撮影した画像を加工・編集する用途で、私はよく利用します。
今のカメラはスマートフォンでもとても性能がよく、また広い範囲をきれいに撮影できます。
ただし、その画像ファイルの容量が大きかったり、余計なものが写ってしまうことがあります。
そのため、撮影した画像をわかりやすいく、そして無駄のないように加工・編集します。
さらに、加工・編集することで、画像ファイルの容量も減らすこともできます。
使用例2:ファイルの形式を変更する
PDFをTIFF形式に変更したり、また写真であるJPEGをPDFにファイル形式を変更したりする用途で、私はよく利用します。
福井コンピュータの測量CADであるTrendOneは、オプションで購入しなければPDFファイルを読み込むことはできません。
そのため、多くの方はPDFをTIFFに変換してから、CADに読み込みます。
また、電子署名はPDF形式でするのが原則であるため、スマートフォンで撮影した画像に電子署名をしたい場合は、画像データからPDFに変換してから、電子署名をしなければなりません。
GIMPは、ほとんどのファイル形式に対応しており、設定方法さえ覚えれば、自分が思い描いた形式そしてサイズで出力することができます。
まとめ
最後まで読んでくださりありがとうございました。
PDFやTIFFなどの画像ファイルの扱い方は、土地家屋調査士業務をしていく上で、悩むことがあると思います。
CADのオプション機能やAdobeの有料サービス、そして有料の画像編集ソフトを使うと、ほとんどの悩みは簡単に解決します。
ただ、私のような駆け出しの者は、あまり固定費をかけたくないと思います。
ファイル変換したり、加工したりする手段は、探せば無料で解決できると思います。
今回は、この一つの手段として、GIMPというソフトをご紹介しました。
土地家屋調査士のGIMPの使用例について、今後ご紹介しようと思ってます。
今回の記事が誰かの参考になればと思います。