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建物表題登記について

建物を新築した際に、建物表題登記をしなければなりません。
そのため土地家屋調査士業務の中でも件数が多い登記となります。
今回は、そのような土地家屋調査士業務の中でも件数が多い、建物表題登記に関して書いていきたいと思います。
しかし、分譲マンションなどの区分建物の建物表題登記は、戸建ての登記申請とは異なり、ほとんどが業者が登記申請を行い、また申請方法も異なるため、この記事では割愛させてもらいます。

建物表題登記とは

(建物の表題登記の申請)第47条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

不動産登記法47条1項

登記記録がない建物について、建物の面積や種類などの物的現況を登記記録に新たに記録する際に行われる登記です。
新築である必要はなく、古い建物でもその登記記録がなければ、建物表題登記の対象の建物になります。
つまり、新築などは関係なく、登記記録がない建物が、初めて記録される登記が建物表題登記ということになります。
後述しますが、新築以外にも、再築や改築や解体移転も、建物表題登記の登記原因になることに注意が必要です。
また補足ですが、区分建物以外の表題登記がない建物となっているのは、区分建物の建物表題登記ができるのは原始取得者(一番最初の所有者となったもの)のみであるため、売買などの移転により所有権をした者であっても建物表題登記は出来ないことを明文化した規定となります。

建物表題登記の申請内容・添付情報とは

建物表題登記の申請内容は、不動産登記令3条8号に記載してます。

第3条八 建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項。
 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
 家屋番号(建物の表題登記(合体による登記等における合体後の建物についての表題登記を含む。)を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない建物について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない建物について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。)
 建物の種類、構造及び床面積
 建物の名称があるときは、その名称
 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積(トに掲げる事項を申請情報の内容とする場合(ロに規定する場合を除く。)を除く。)
 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称

不動産登記令3条8号

以上を申請内容として登記所に申請しなければなりませんが、家屋番号に関しては、登記官が職権で定めるものであるため記録することは要しません。
ただ、登記所に照会した予定家屋番号を記録することは差し支えないとされています。
予定家屋番号は登記所に問い合わせ教えてもらうことになります。

また、添付情報に関しては、原則として3つの書類が必要です。

  1. 建築基準法第6条の規定による確認通知書(通称:確認済証)
  2. 建築基準法第6条の規定による検査済証(通称:検済)
  3. 工事完了引渡証明書(施工者から建物を受け取ったことを証明する書類であり、施工者の印鑑証明書を添付しなければならない。)

以上の書類が原則必要ですが、建ててから長い期間が経っているなどにより、すべての書類を用意できない場合は、固定資産の納付証明書などの書類を代わりに添付をします。
上記の3つの書類を用意できない場合は、添付書類は事案によって異なるため、お近くの土地家屋調査士にお問合せください。

法律に定められていませんが建物の外部・内部の写真が必要

種類や構造や屋根の種類が申請内容と一致するかを確認するために写真も添付しなければなりません。
例えば、居宅であれば、人が住むうえで必要な設備であるトイレ、キッチンやお風呂の写真を撮り、間違えなく居宅であることを登記所に伝えなければなりません。

建築図面の床面積と登記面積は異なることも

建築図面は建築基準法等に基づき、不動産登記上の登記面積図は不動産登記法等に基づいているため、基となる法律が違うため床面積の相違が生じます。
どちらとも屋根及び周壁に囲まれた部分が床面積に参入されますが、床面積が違ってしまう主な理由として、建築図面は庇や屋根のある屋外階段、庇の一部、一部周壁のある駐車場、ピロティ等を算入することに対して、不動産登記法はそれらを床面積として算入しないためです。
そのため登記面積の方が少なくなる事が多いです。

移築・改築なども登記では新築扱いになる。

移築・改築などのいったん建物を取り壊して、その材料を使用して建物を建てたとしても、その建物は不動産登記上は新築の扱いになります。
ただ基礎ごと建物を移動させる、えい行移転は、建物所在変更登記となることに注意が必要です。

住居表示ではなく番地を記載して申請する。

建物の表題登記の所在欄には、私たちが郵送などに使う『〇〇番△△号』ではなく、『〇〇番地△△』と記載されてます。

『〇〇番△△号』は住居表示といい、市区町村が地番とは別の表示形式として附番してます。
しかし、この住居表示は実施しているところと、非実施のところがあります。

住居表示は、地番だと管理できなくなった土地に行われる地区に行われることがあります。
なぜならば、地番の番号のつけ方は、若い番号順に附番され、そうなると隣の地番の番号が、1番のとなりに100番となることがあり、また土地を合わせたことによりない番号が生じてしまうからです。
そうなると、郵便配達や行政サービスを提供する上で非効率になってしまいます。
これを防ぐために、街区ごとに番号を附番する住居表示が実施されます。

自分で建物表題登記はできるの

建築図面を参考にすれば、建物図面や各階平面図も自分で作成することは可能だと思います。
しかし、土地家屋調査士に依頼すれば1週間程度に登記が完了するものが、自ら行うと1か月ほど登記完了に時間がかかります。
土地家屋調査士が申請した場合は、表題登記の専門家ということもあり、登記官の実地調査が省略されるため、登記完了までの期間が短縮されます。
実地調査とは、登記官がその登記申請が正しいかどうかを実際に現地に行って確認する行為であり、それの日程の調節や手続きなど時間を要するため、登記完了までの期間に相違が生じます。
そのため、金融機関からの金を借りている場合は、早く登記を完了させなければならない関係等もあり、土地家屋調査士に登記しなければならないことが多いです。
金融機関からお金を借りている場合は、自ら登記をすることは難しいですが、そうでない場合は出来なくもないです。
ただ、図面の作成者欄に、土地家屋調査士以外の名前が載るため、その後その建物を売ったり担保にしたりする場合は注意が必要です。

まとめ

建物表題登記は土地家屋調査士が行う登記の中でも、もっとも多い登記です。
そして、新居に入居される依頼者様の、新生活をサポートしていると思うと、とてもやりがいを感じられる登記だと思います。

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