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土地家屋調査士の修業についてのご回答(21-11-08)

こんばんは。ブログ楽しみにして読ませて貰ってます。小川先生にお聞きしたい事があります。実務経験を積むにあたって修行に向いている事務所の見つけ方のアドバイスを頂きたいです。現在働いている事務所は分業制で画地調整などはやらせてもらえない事務所なので転職を考えてます。宜しくお願い致します。

Sさんからのご質問

昨年頂いたご質問です。回答が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。完全に一人前でない私が軽率に回答していいのか考えてしまい、回答ができずにいました。  私自身実務経験を積むにあたって、質問者様に近い悩みを持っていました。

Sさんにアドバイスとまではいきませんが、私の経験談と、どのように考え行動してきたのかを書いていきたいと思います。
出来る限り主観は入れず実体験を書いていこうと思ってますので、是非ご参考にして頂けたらと思います。

測量未経験で入社

私自身、測量未経験で初めて入社した法人では、ほとんど測量補助の仕事しかしてきませんでした。

私の勤めていた法人は分業制ではなく、担当者がすべての業務を担当することから、新人の私ほとんどは下働きでした。
特に、都市計画道路の用地測量が多い事務所であったため、仕事全体を担当することはありませんでした。
新人の私はTSを操作したりなどの測量補助の仕事が、主な仕事でした。
そのため、分業制で一部の業務を担当されているSさんよりも、もしかしたら実務経験をするとの観点では厳しい環境であった可能性もあります。
私以外の従業員は、ほぼ10年以上勤務している方であったため、下働きの仕事は私に回ってくる環境でした。

最初の法人で勤務したのは2年半ほどでしたが、福井コンピューターのCAD操作について最低限の知識、不動産の調査方法、そして隣接の地権者の対応を習得することが出来ました。
そして、一筆地程度の境界確定業務であれば、どうにか一人で完結することが出来るようになったくらいです。

実務に関しては、人にあまり聞くことが出来ない私の性格のせいもありますが、実務書で勉強したり、またCADについてはマニュアルを見て、どうしても分からないことを聞くなどして、身に着けていった感覚です。

お金と時間をかけて測量専門学校に行く

少し色々な事情があり、未経験で入社した法人を辞めることとなり、知識などについては不安な点もあましたが、独立しようと考えていました。
ただ、測量に関して曖昧な知識などが多いとの自覚があったため、実務経験で測量士が取れる測量専門学校の中央工学校の土木測量科(夜間)に通いながら、少しずつ仕事を獲得しつつ、知識も深めていこうと考えていました。

しかし、2020年に新型コロナウィルスが蔓延し、先の情勢を考えるととても不安になり、独立は断念しました。
そのような中、たまたま夜間ではなく昼間の測量科が、専門実践教育制度の対象となって補助金等が支給されることもあり、1年間勉強に専念することにしました。

通っている際は今までの勉強した内容がほとんどであったため、あまり身になっている感じはしませんでしたが、今思い返すと測量専門学校に行って良かったと思ってます。
ただ、授業内容に対して1年としては長すぎますし、土地家屋調査士の業務ではあまり使わない知識があること、また時間とお金を費やします。
そのため、もし補助金等がなければ、私としては夜間を除き行くことはあまりおススメしません。

この中央工学校測量科でためになった内容が、基準点測量をCADなどの計算ソフトを使用せず、手計算し成果品として作成したこと、そして不動産登記法に関して再度勉強することができた2点です。

一つ目の基準点測量ですが、単路線と結合多角路線(Y型)を測量計算ソフトを使用せず、関数電卓での計算のみで成果品を作成しました。

今は、測量計算はCADを含めた測量計算で行ないます。
その計算は自動計算で行うため、手順さえ分かっていれば、測量計算を理解していなくとも形になります。
以前勤めていた際の私の体験談ですが、CAD上でなぜ手簿計算→記簿計算→座標配置等の手順を踏まなければならないのか理解できず、とりあえず手順通りに流れ作業で操作することで、測量計算が行ってました。
今はいろいろ便利になりすぎていて、修正や調節がない場合は、手順通りにすれば自動で計算されてしまいます。
そのため、その便利な時代からこの業界に入った私は、その計算手順の意味などが、頭ではなんとなく分かっているけれども、直観的に理解出来ずにいました。
実際に手計算をすることで、一つ一つの計算簿の理解をすることが出来、頭で理解できたのではなく、身になることが出来ました。

2つ目に不動産登記法ですが、私は独学で合格したため、人から教わりことはありませんでした。
参考書と過去問から、自分の中だけで考え定着させたため、その知識に対して曖昧な部分がありました。
それを、私以外の人が言語化し、どの点が重要なのかを、人から教わることが出来たのが私の中では大きかったです。

また、この期間、WEBなどの情報技術の勉強にもできたのも、きっと大きな収穫であったと思ってます。ちなみに、ブログもこの時に、本格的にはじめました。

卒業後少し勤務

2021年度、無事卒業できましたが、独立ではなく勤務の道を選びました。独立も考えてはいたのですが、新型コロナウィルスによる社会混乱が収まらない中、独立は出来ないと考えていました。東京の法人に勤めることになったのですが、他県に事務所が移転するなどの理由で、この法人は雇用契約期間内に辞めることにしました。

そこの法人で、事案に対して一人で調べることと、問題に対する自己解決力が上がっていることを実感できたのが、私にとって一番大きな気づきでした。

この業界しっかりと、法令また作業規定の準則などの条文を根拠にしてしっかり理解してやっていることはなく、割と属人的で会社ごとの慣習によって業務をやっていることが多いです。
そのため、変な癖や、また他ではありえないことが当たり前になってしまうことが多いような気がします。

そのことを考えるようになってからは、修業なんて後からついてくるもので、その時その時の問題解決力を上げること、そして土地家屋調査士業務に関してある程度の問題解決力を身に着けることが出来れば、それからは自分次第なんだろうとの考えに変わりました。

また、修業を否定しているわけではないですが、修業に終わりはなく、修業をしっかりしてから独立すると大切なチャンスを逃すような気がしていました。

まとめ

ここまで、私の修業??について書かせて頂きました。その中で、修業に向いている事務所の見つけ方に関して、質問者様の答えを見つけるヒントがあったら、何よりも幸いです。一応質問にお答えしなければいけないので回答させて頂きます。どんな環境であれ、自身にとって『問題解決力』を身に付けてくれる事務所に私は努めたいと思ってます。ただ、結局は給料や休日を考えた上で、自分の気持ちを整理します。アドバイス出来る立場ではないので、あくまで参考にしてください。

土地家屋調査士 小川曜(埼玉土地家屋調査士会所属)

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