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平成29年度から令和3年の土地家屋調査士業界の私が実感した変化

私は、平成29年度の6月から土地家屋調査士業界に入りました。
変化が少ないと言われている士業の業界ですが、土地家屋調査士の業界は多かれ少なかれの変化がありました。

今回は、この4年間の私が感じた土地家屋調査士業界の変化について記事にしていきたいと思います。

調査士報告方式による原本提示省略

土地家屋調査士業界での一番大きな変化は、調査士報告方式が取り入れられたことだと思います。

この調査士報告方式とは、以前はインターネットを通じて行う申請は原則のオンライン方式と特例方式の二種類がありましたが、それに加えて新たに資格者である土地家屋調査士のみに認められた申請方式のことを言います。

すべての書類を添付して申請をオンラインを通じて行うのが、オンライン申請の原則です。
しかし、電子署名を申請人も持っていなければならないなどの理由から、申請の添付書類・情報をすべてデジタル化し電子署名をことができず、申請はオンラインで行い、添付書類の提出は窓口や郵送で行う特例方式が一般的に行われていました。
特例方式は、添付書類を窓口に持参するか、又は郵送しなければならず、その原本を返却してもらうためにコピーを取り、原本と相違ないことを証明をしなければならない手間等がありました。
特に、土地家屋調査士は図面や確認書などの書類が多くあったために、その写しを作り送付するのが結構な手間と労力でした。

そのような中、調査士報告方式が導入され、土地家屋調査士が書類をスキャンしたデジタルデータに電子署名をすれば、原本を提示せずに済むようになりました。

この調査士方式の導入によって、土地家屋調査士のオンライン申請に対する垣根は低くなりました。

ただ、原本を法務局に提示をしなくてもよくなった分、書類が偽造されていないかなどの書類に対する責任は重くなったと言えます。

電子申請書の増加

上記の調査士報告方式により、電子申請がかなり増えました。

以前から、紙での申請からデジタルデータへの申請に変えていこうとの取り組みがありましたが、上記の調査士報告方式により、土地家屋調査士業界における電子申請が増えたのが実感です。

政府の取り組みなどにより、一般でもマイナンバーカードの保有者が増えれば、電子署名(印鑑証明書のデジタル版)をほとんどの国民が持つことになると思います。
ほとんどの国民が電子署名を持つようになったら、調査士方式ではなく、完全なオンライン申請が出来る環境が来るかもしれません。

ただ、環境が整ったとしても、その環境をどのように活かすのか、また活かすことができるかは別の問題だと思います。

私は、すべてのオンライン化できるのは、すべての経済取引がすべてオンラインで完結するようになってからだと思います。

今後の行政のデジタル化への取り組みや、国民がそれをどんのように運用していくのかを見ながら、段階的に土地家屋調査士がおこなう電子申請の方法が、変化していくと思います。

土地家屋調査士試験の試験日程の変更

今は、10月に土地家屋調査士試験が行われています。

ただ、数年前までは、社会保険労務士試験と同じ、暑い8月に行われていました。

この8月に行われていた時代は、5月に測量士補試験、8月に土地家屋調査士試験があり、同年に受験する場合は、受験申し込み後に、測量士補試験の合格後に午前の部の免除申請をしなければならない等の手間がありました。

一時期、5月に測量士補試験、10月に土地家屋調査士試験を受験など、同年に受験をしやすくなりましたが、測量士補試験が新型コロナウィルスの影響で、9月に日程を変更した関係から、同年にダブル合格をすることができなくなりました。

ただ、夏の暑い時期に、熱いと冷房と闘いながら、作図をしていかなければならない環境から、秋の過ごしやすい時期に移ったことで、受験生としては本来の実力を発揮しやすくなったと思います。

ちなみに私は、一回目の試験は8月、2回目は10月に受験して合格しました。

青山学院大学が受験会場だったのですが、銀杏を踏みながら去年とは受験環境が違うなと思いながら、受験会場に入って行ったことが思い出です。

土地家屋調査士のように試験実施団体が国の場合、日程を変更することは試験委員などの任期などの調節もあることから、めったにないことだと思います。

測量士・測量士補試験の試験日程の変更

新型コロナウィルスが広まり、令和2年度の測量士(補)試験は9月になりました。

土地家屋調査士試験と測量士補試験の同年ダブル合格は難しくなりましたが、測量士補試験の後、1年以上土地家屋調査士試験の勉強に費やすことができるため、受験対策としてはしやすくなったと思います。

ただ、5月のゴールデンウィークの後にあるイメージが強くあり、変更前に土地家屋調査士業界や測量業界にいるものは、色々変わって試験制度に関してついていけていないところもあります。
この日程が定着して、土地家屋調査士試験の受験対策のスケジュール感が確立して欲しいと思ってます。

土地家屋調査士の新人研修

土地家屋調査士新人中央研修が、令和元年から行われるようになりました。

それ以前は、全国をブロック(関東や関西など)ごとに分けて、新人研修が行われていましたが、令和元年から全国の新人の土地家屋調査士が一か所に集められて研修を受けることになりました。

私は、第1回の新人中央研修を受講したのですが、全国から土地家屋調査士が集まることもあり、それぞれの地域での実務の違いなどを知ることができ、とても貴重な体験をすることができました。

今は、国土地理院があり測量の聖地である茨城県つくば市で行われているそうです。

研修のオンライン化

新型コロナウィルスが広まり、令和2年度の一部の研修はオンラインで行われたと聞きます。

オンラインはいつでもどこでも受講できるメリットがありますが、交流が出来ないデメリットがあるので、実セミナーは残しつつも、オンラインも積極的に導入して欲しいです。

ブルートレンドからTRENDONEへ(CADのインターフェイスの変化)

私が土地家屋調査士業界が入ったタイミングがちょうど、 ブルートレンドからTRENDONEへCADシステムを移行している時期でした。

ウィンドウズのアプリケーションであるWordやエクセルに似たようなインターフェイスの設計になってます。

原理を学べば、多少インターフェイスが違っても大丈夫ですが、このように大きく変更がある時は、測量技術者の性格が表れます。
積極的に新しいものを使う人もいれば、まったく使わわない人もいました。
特に、年配の方は古いブルートレンドを使い続ける方が多かった印象があります。

年を取ると、新しいものを取り入れることができなくなるんだなと実感しましたし、私自身は取り残されないように積極的に新しいものを取り入れるように意識していかなければならないとも思いました。

話は変わりますが、TRENDONEを使用されている方は、Windows11のアップデートは少し控えた方がいいかもしれません。 TRENDONE が導入された時、 Windows10の更新が原因のバグが結構多かったと聞いています。

まとめ

以上、私がこの業界に入って変化した事項をまとめてみました。

約4年から5年の期間を思い出してみると色々と変化をしてきたんだなと今思い返せばありました。

特に、調査士報告方式はデジタル化の流れを一番印象付けられたものになりました。

新型コロナウィルスによって世間は大きく変化しました。それによって、土地家屋調査士の業界は今後今まで以上の変化があると思います。

印鑑廃止などを初めとする行政のデジタル化、また高速通信の5Gの影響は間違いなくあります。

これからくる業界の変化また世の中の変化を避けるのではなく、しっかり取り入れることで生き抜いていきたいと思ってます。

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